叡王戦第1局は藤井叡王が勝利!勝敗を分けたポイント解説-菅井八段に完勝

叡王戦第1局の評価値・形勢判断速報叡王戦
【広告】

【オススメ】歴史の残る逆転劇・好手を徹底解説!
叡王戦第3局で勝負を決めた歴史に残る好手-藤井聡太叡王が奇跡の逆転勝ち!

※叡王戦第2局の評価値速報はこちら(対局当日、更新します)
叡王戦第2局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太vs菅井竜也

※第4局の評価値速報はこちらで紹介しています。
叡王戦第4局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太vs菅井竜也

菅井達也八段が藤井聡太叡王に挑戦する2023年の叡王戦。
第1局は藤井叡王が完勝して防衛に向けて幸先の良いスタートとなりました。
今回の記事は勝敗を分けたポイントを解説していきます。

主催: 不二家、日本将棋連盟
協賛: レオス・キャピタルワークス(特別協賛); 中部電力・豊田通商・豊田自動織機・日本AMD

※第3局の評価値速報
叡王戦第3局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太vs菅井竜也

【叡王戦第1局の評価値速報・形勢判断】
叡王戦第1局・AI評価値-藤井聡太叡王vs菅井竜也八段
振り駒の結果、藤井叡王が先手。
菅井八段は戦型採用率で振り飛車が9割を超える振り飛車党。
第1局は後手番で三間飛車を選択しました。双方銀冠の形から右辺で戦いが始まります。

まず、筆者が「これは大きいのでは?」と感じたのが藤井叡王が9筋の歩を早めに突いて、9五歩と進められたこと。
菅井八段は後手番の振り飛車で玉が8筋に守る状況だった事もあり、9筋を抑えられてしまったことで
ある程度端攻めから抑え込まれる状況が生まれました。
(もちろん、その分はその他の部分で手を進められるので一長一短)
【広告】



そして、もう1つ勝敗を分けたのは中盤を超えた辺りの以下の瞬間でした。(2筋で飛車を下げたタイミング)
叡王戦第1局で勝敗を分けたポイント
評価値が一気に藤井叡王側に振れた瞬間です。
それまでは藤井叡王がやや優勢だったものの、ちょっとしたことですぐ追いつかれる範囲内の差でした。
その局面で評価値が―509となっており、パーセント表記で言うと60%/40%程度だった差が、一気に70%を超える状況になりました。
叡王戦第1局で勝敗を分けたポイント
ただ、あくまでAI評価値の話であって、人間の感覚だとそこまで悪いように見えません。
そういった意味で「悪手で負けたわけではない」と感じている可能性もあり、
「(次の対局に向けて)どこを改善すればいいのかわからない」という心境になってしまうかもしれませんね。
※評価値判定で活用する将棋用のAI将棋ソフトはソフト毎に得意不得意があるようなので複数活用していますが、
水匠が一番精度が高いように感じます。

菅井八段は「振り飛車代表」として相当な準備をしてきたのは間違いないと思いますが、
藤井叡王の強さが際立つ一局となってしまいました。
評価値の推移を見ていただくとわかりますが、初手から投了の最後まで、
一度も後手の菅井八段に評価値が振れることはありませんでした。
結果だけ見ると、完勝と言っていいと思います。
【広告】



また、これは多くの方が感じたのではないかと思いますが、羽生善治九段との王将戦最終局辺りからでしょうか、
棋王戦最終局→名人戦第1局→叡王戦第1局と、少し指し方が変わってきたように感じます。
棋風としては圧倒的な詰将棋の強さからわかるように、谷川浩司十七世名人のような「光速の寄せ」に近い
「一気に仕留める攻撃的な棋風」でした。
それがここ最近の対局を観ていると、「攻め切るより、自玉の安全を確保して確実に勝ちに行く」事が増えています。
相手からすると「早く楽にしてくれ」と思うような局面で、「より確実に勝ちに行く」ことから
対戦相手の心を折る圧倒的な強さを見せています。
(以前は「ギリギリのところを狙って勝ちに行く」ので、危ないように感じる事も多かった)

菅井八段としては負けたとはいっても後手番での負けです。
次は先手番。得意の中飛車で行くのではないでしょうか。
(A級順位戦で藤井聡太叡王に土をつけた時も中飛車でした)
逆に、藤井聡太叡王としては第2局の後手番で勝てば防衛に王手となり、ストレート勝ちが見えてきます。
どちらにとっても勝ちたい対局となるのは間違いありません。
注目の第2局は、4月23日(日)に名古屋東急ホテルで行われます。

タイトルとURLをコピーしました