藤井聡太叡王が八冠陥落の危機をしのぐ快勝で2勝2敗のタイに!タイトルの行方は最終局に持ち越されました。
藤井叡王がリードを広げた一手を解説します。
叡王戦第5局は6月20日に行われます。
主催: 不二家、日本将棋連盟
協賛: レオス・キャピタルワークス、株式会社SBI証券(特別協賛)
持ち時間:叡王戦は他のタイトル戦と比べて持ち時間が短く、チェスクロック式。(使い切ると一手60秒未満)
【第9期叡王戦第4局】(先手)伊藤匠七段vs(後手)藤井聡太叡王
【AI評価値・形勢判断解説】
藤井聡太叡王、先にカド番に追い込まれるのは初。更に伊藤匠七段が先手と八冠陥落の危機と言える状況で注目を集めました。
戦型は角換わりで進行します。
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比較的早いテンポで進み、角換わりでは見慣れない形になっていきます。
後手の藤井叡王は右玉へ。先手の伊藤七段は穴熊模様に進めます。
序盤の段階で藤井叡王が僅かにリードする展開でしたが、それ程大きな差ではなく一手の緩手でリードが無くなるような局面が続きます。
そして将棋AI/ソフトが「後手有利」と判定した一手がこちらです。
ここは8五歩と叩いて攻撃を仕掛ける手と、藤井叡王が指した6四角打が候補手に挙げられます。
AI最善手はシンプルに攻撃を仕掛ける6四角打でした。(歩取りを狙っていく)
その解析・候補手順がこちらです。
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藤井聡太叡王はこの一手でリードを確実なものとし、9筋から攻めていく形を作っていきます。
その後もリードを広げていき最後まで隙を見せずに完勝でした。
第4局で特徴的だったのは、藤井聡太叡王の時間の使い方。
序盤からあまり時間を使わずに、伊藤七段より時間を多く残している状況を保っていました。
棋譜からも迷わずに指していく様子が伝わってくる快勝譜で、後手番だった事を考えると最終局にも繋がる一局でした。
第5局は少し間が空いて、6月20日に行われます。