【王位戦第5局のAI評価値速報・形勢判断解説】
藤井王位が3連勝スタートの後、佐々木七段が一矢報いて藤井王位の3勝1敗で迎える第5局。
藤井王位が防衛を決めるか、佐々木七段が連勝で巻き返すか。
注目の第5局をAI評価値を参考に解説します。
【お~いお茶杯王位戦 第5局】
対局日程:8月22日、23日
主催:新聞三社連合、日本将棋連盟
【第5局のAI評価値速報・形勢判断解説】(先手:藤井聡太王位、後手:佐々木大地七段)
+2790(95%/5%)※佐々木七段が投了。藤井王位防衛です!(4連覇)
藤井聡太王位が勝って防衛!勝負を決めたのはAI超えではなく人間だからこそ指せる一手-王位戦第5局
【広告】
【初手からの流れ】
横歩取りに進んでいます。序盤から激しい駒の動き・ぶつかり合いがあり、形勢判断が難しい展開です。
横歩取りから縦横無尽に飛車が動き回り、結果的に双方の飛車が相振り飛車のような配置になっています。
夕方になり、佐々木七段が長考中。残り時間で1時間以上差がありましたが、逆転。
このまま封じ手になるかもしれません。勝負所です。
※残り時間は藤井王位が1時間多い状況で1日目を終えました。
封じ手は1筋に角を打ち込む一手でした。AI候補手上位には入っていなかった一手で、
藤井王位としても予想外だったのではないでしょうか。
開封直後の一手、長考になるかもしれませんね。
封じ手から流れが変わり、佐々木七段が追いつきました。ほぼ互角の状況が続いていますが、
封じ手前と比較して、佐々木七段が盛り返しています。
午後に入って数手進み、佐々木七段側に疑問手があったのか、評価値に10%程度差が開きます。
1手1手で揺れ動くためあくまで暫定的なものになりますが、現時点で藤井王位が少しリードしました。
終盤戦に入り、60~70%程度で推移しながら藤井王位がリード。
佐々木七段も強引と思えた攻めを何とか繋げて、隙あらば逆転する態勢を維持しています。
※参考までに昨日書いた記事を紹介します/封じ手局面はどちらが有利?
王位戦第5局の封じ手局面はどちらが有利?将棋AI同士に戦わせた結果は藤井王位が若干有利か
【対局前の注目ポイント】
(1)過去の直接対決は藤井七冠の8勝4敗。ダブルタイトル戦の前までは互角でしたが、差が開き始めました。
(2)同時並行で行われていた棋聖戦は、藤井七冠が3勝1敗で防衛。
(3)藤井王位が勝つと防衛、佐々木七段が勝つと連勝&第6局を先手で指せるので、フルセットまで持ち込めるかもしれません。
(4)藤井王位が負けると、タイトル戦で初の連敗。
藤井王位は第4局で負けましたが、まだ3勝1敗とリードしているのと、第5局が先手なのでそこまで影響はなさそうです。
心配があるとしたら、第4局でいつもの気迫が感じられない様子が見られたことです。
局面を悲観していたのかもしれませんが、名人位を獲得してからの取材ラッシュで疲れや体調の面も影響しているのかもしれません。
※また、1局負けたことで、王座戦の日程と近くなってしまったため、王座戦の準備に影響が出るかもしれません。
【対局前のデータ】
直近10局の成績は・・・
藤井聡太王位:8勝2敗
佐々木大地七段:5勝5敗
【今年度成績】
藤井聡太王位:17勝4敗
佐々木大地七段:19勝9敗