藤井聡太王位が勝って防衛!勝負を決めたのはAI超えではなく人間だからこそ指せる一手-王位戦第5局

王位戦第5局は藤井王位が勝って防衛!勝負を決めたのはAI超えではなく人間だからこそ指せる一手 王位戦
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王位戦第5局は藤井聡太王位が勝って4勝1敗で防衛!
勝負を決めた一手は「AI超え」ではなく「人間味のある一手」で、後々効果が出てくる妙手でした。
今回はAI評価値を参考に、その一手を解説していきます。

【お~いお茶杯王位戦 第5局】
対局日程:8月22日、23日
主催:新聞三社連合、日本将棋連盟

【第5局のAI評価値推移グラフ】(先手:藤井聡太王位、後手:佐々木大地七段)
王位戦第5局AI評価値速報-藤井聡太七冠vs佐々木大地七段
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1日目はほぼ互角のまま封じ手に。
2日目も多少の揺れはありましたが、評価値は互角範囲内で動いていました。
初めて「先手有利」と表示されたのは2日目の午後、中盤です。
該当する部分を抜粋して評価値の推移を見ると、以下のように佐々木七段の一手で疑問手があったように見えると思います。
藤井聡太王位が勝って防衛!勝負を決めたのはAI超えではなく人間味のある一手-王位戦第5局の勝負所を評価値解説
しかし、そこまでは大きな差はないものの、後手の佐々木七段が僅かにリードしていました。
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この疑問手に影響していそうなのが、上記で紹介した評価値推移の一番上の部分。
藤井王位が5筋に角を打ち込んだ一手でした。
上記で紹介したとおり、その角を打ち込んだ一手は「-262」とAI評価値が低い一手。
この時点で―132とリードされています。
ただ、この一手はとても人間味のある一手で、「AI評価値は低くても、狙いがハッキリした攻める意図が明確な一手」でした。
2三と8三の地点を狙っており、2三はひしゃを封じる狙い。
8三は自分の飛車の利きで、攻めの拠点となる狙いがあります。

流れを見て判断すると、その角打ちで8筋を狙っていたからこそ、先程の佐々木七段の疑問手に繋がっており、
藤井王位がリードする展開になったように感じます。
AI評価値としてはマイナス評価の一手でしたが、勝敗を分けた一手と言っていいのではないでしょうか。
その後、少し苦しい状態になった佐々木七段は勝負を仕掛け、多少無理筋と思える強気の攻めを見せます。
結果的に、「藤井王位が攻めさせた」ようにも見えました。
終盤でも「AI超えの一手」と評される事になりそうな一手が登場しました。
当初は悪手判定の出た一手が、時間が経つにつれて評価値が上がっていく。
対局の解説だと、2筋の歩打ちを解説する方が多いのではないかと予想しますが、
私としてはこの記事で紹介した5筋の角打ちが最も印象に残りました。

これで藤井王位は七冠を堅持。
月末から始まる王座戦に集中できます。
八冠が掛かるタイトル戦となり、大きな注目を集める対局が続くことになりますが、
藤井聡太七冠なら、今までのように将棋ファンを楽しませてくれる対局を見せてくれるでしょう。

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