叡王戦第3局で勝負を決めた歴史に残る好手-藤井聡太叡王が奇跡の逆転勝ち!

叡王戦第3局の勝負を決めた歴史に残る名手-藤井聡太叡王叡王戦
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叡王戦第3局で勝負を決めた歴史に残る好手を徹底解説!藤井聡太叡王が奇跡の逆転勝ちで防衛に王手!
今回の記事は勝負を決めた藤井聡太叡王の一手、逆転勝ちのキッカケとなった菅井八段の一手を初心者向け・観る将向けに解説します。

主催: 不二家、日本将棋連盟
協賛: レオス・キャピタルワークス(特別協賛)、 中部電力・豊田通商・豊田自動織機・日本AMD

【叡王戦第3局の評価値推移】163手目で菅井八段が投了(先手:藤井叡王、後手:菅井八段)
終盤まで互角の戦いが続く大熱戦。100手頃から菅井八段がリードを広げ、一時は評価値で―1475(20%/80%)まで差が開き
「後手優勢」という表示まで差が広がりました。
(中継の評価値ではもっと差が開いていたので、形勢は決した状況だった)
終盤に来てこの差は大きく、残り時間でも藤井叡王が1分将棋/菅井八段が約30分と大きな差があったので
藤井聡太叡王の負けが近づいていると誰もが感じたでしょう。
叡王戦第3局・AI評価値-藤井聡太叡王vs菅井達也八段
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まず、勝敗を分けた局面が2か所あります。まずは菅井八段が勝機を逃した局面を解説します。
以下の局面、藤井叡王は残り時間もなく、敗戦ムードでした。ただ、粘りに粘る姿勢を見せ、
ひたすら耐えて菅井八段のミスを誘います。
叡王戦第3局で大きく評価値を下げた菅井八段の敗着の一手
見ての通り、この前後の手は双方悪手/疑問手があり、評価値が乱高下しました。
この一番差が開いていた―1475の時は藤井叡王の評価値が25%程度になっており、負けを覚悟していた局面だと思います。
解説陣も「藤井叡王は粘ってはいるが、完全に後手ペース」という評価でした。
叡王戦第3局で大きく評価値を下げた菅井八段の敗着の一手を解説
ここで菅井八段は6八金と取り、評価値を大きく下げてしまいます。
この一手でAI将棋ソフトの判定も「後手優勢から後手有利」ぐらいの表記に変わり、差が縮まりました。
この局面は、7八金と取っておけば、以下のように大差をキープできました。
または6三金と、藤井叡王の攻撃の軸になっていた「と金」を取ってしまうのも良かったのではないでしょうか。
叡王戦第3局で大きく評価値を下げた菅井八段の敗着の一手を解説
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まだ菅井八段が有利な状況でしたが、藤井聡太叡王は粘りに粘って双方1分将棋に持ち込みます。
大きな差が無い状況で双方1分将棋であれば、驚異的な終盤力を誇る藤井聡太叡王の強さが際立つ。
ここから、逆転劇が始まります。
熱戦だったこの対局で、私が選んだ「勝負を決めた一手」はこちらです。
叡王戦第3局で奇跡の逆転勝ちを決めた藤井聡太叡王の歴史に残る一手
この局面で放ったのはAIも最善手に挙げていた8五桂打でした。
既に1分将棋が続いている状況で、最善手を導き出しました。この一手で菅井八段の陣形がハッキリと崩れ形勢が傾きます。
叡王戦第3局で奇跡の逆転勝ちを決めた藤井聡太叡王の歴史に残る一手
その後は自玉に詰みが無い事を確認しながら、安全・確実に仕留めに入ります。
1分将棋の中で勝敗を分けたのは、確実に読み切る藤井聡太叡王の終盤力でした。

菅井八段としては必勝系で勝利が見えていた対局だったはずですが、上記で解説した通り
菅井八段に敗着のキッカケを作る一手があり、そこから藤井叡王が粘りに粘って少しずつ差を詰めていく。
そして、上記の強烈な一手で一気に勝負を決めました。

歴史に残る逆転劇だった叡王戦第3局。終盤まで勝敗のわからない、大熱戦でした。
これで藤井聡太叡王は2勝1敗で防衛に王手。
同時並行で進む名人戦も好調な為、叡王タイトルを防衛⇒名人位奪取で「最年少名人」「最年少七冠」の記録達成が見えてきました。

※第4局の評価値速報はこちらで紹介しています。
叡王戦第4局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太vs菅井竜也

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