2024年王将戦の第1局AI評価値速報・形勢判断の解説をお伝えします。
藤井聡太王将vs菅井竜也八段
【第73期ALSOK杯王将戦第1局】主催:毎日新聞、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟
【AI評価値・形勢判断解説】(先手)菅井竜也八段vs(後手)藤井聡太王将
封じ手は飛車が上がる一手。対する藤井王将は飛車先の歩を突いて自ら仕掛ける攻撃の一手。
評価値速報:菅井八段が投了。藤井王将が後手番で勝利しました。
※第1局の解説記事
王将戦第1局は藤井聡太王将が完勝!勝敗を分けた一手をAI評価値を参考に解説します
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【対局開始】
振り駒の結果、菅井八段が先手。3手目に1筋の端歩を突く等、序盤から変化を見せていきます。
注目の飛車は三筋へ。昨年の叡王戦同様に三間飛車を採用しました。
(そろそろ中飛車にするかと予想していましたが、今後の勝負所にとっておく作戦なのかもしれません)
対する藤井王将はいつも通り居飛車で、居飛車穴熊を見据えたじっくり駒組を進める展開です。
(1日目:10時台)先手・菅井八段は穴熊に。後手の藤井王将も穴熊に構えます。
駒組が終わると、お昼前後から双方攻めにシフトチェンジ。
菅井八段の6筋の歩突きから、藤井王将がどう応じるのか。1日目の勝負所を迎えたようです。
午後のおやつ休憩が終わっても駒のぶつかり合いがなく、けん制し合う状況に。
先手の菅井八段側に有効な手がなく、千日手になる可能性も出てきました。
打開して進んだ場合ですが、夕方に駒のぶつかり合いが発生し、本格的な戦いが始まる前に封じ手になりました。
(駒のぶつかり合いがなく、封じ手に。2日目はいきなり千日手になる可能性もありそうです)
封じ手は飛車が上がる一手でした。千日手の可能性がある一手で、局面を打開するというよりは、状況を悪くしない
様子見の一手、という印象です。
封じ手に対する藤井王将の返しは自ら仕掛ける一手。先に仕掛けたのは藤井王将です。
お昼前後でほぼ互角の状態に。
藤井王将は一旦攻撃の手を止めますが、逆に菅井八段が仕掛けていきます。
攻勢に出た瞬間、藤井王将の反撃。評価値で42%/58%の差がついています。
その後、菅井八段がやや持ち直して再び互角範囲内に。接戦です。
夕方になり、少しずつ藤井王将がリードを広げます。
しかし、残り時間で大きな差が開いており、菅井八段は約2時間/藤井王将は約30分。
菅井八段は守りを固めていますが、時間攻めの狙いもあるかもしれませんね。
双方穴熊ですぐ崩せるような状況ではないため、時間が掛かりそうです。
17時半の時点で35%/65%(-425)と差が開いていますが、藤井王将は残り時間がほとんどなく、
菅井八段は1時間以上残している状況。逆転があるとしたら、時間が無い中でのミスでしょうか。
ただ、藤井王将は深く読んでいる様子が伺えます。リードを広げられるでしょうか。
※第1局の解説記事
王将戦第1局は藤井聡太王将が完勝!勝敗を分けた一手をAI評価値を参考に解説します
【対局前情報】
昨年の叡王戦は3勝1敗で藤井聡太八冠が勝利しましたが、対局内容を見ていくと接戦が多く
苦戦したと感じられるような印象を持ちました。
特に第2局では完敗と言える負け方だった為、菅井八段の強さを感じられるシリーズでした。
そして2024年最初のタイトル戦「王将戦」で再び相まみえることに。
当然、居飛車と振り飛車の対抗形になるでしょう。
昨年の叡王戦では全て三間飛車を採用した菅井八段、王将戦ではどこに飛車を振るでしょうか。
(前回のタイトル戦で使わなかった中飛車を採用するかもしれませんね)
王将戦は2日制で持ち時間も長く、叡王戦と比べると藤井聡太王将が戦いやすい条件かな、と予想しています。
居飛車対決に比べて振り飛車との対局数は少なくなるため、藤井王将としてはその点が懸念材料でしょうか。
しかし、研究で用意されてきた新手があったとしても、序盤からある程度時間を使える2日制のため
1日目から大きく引き離されることはなさそうです。
そうすると、ある程度五分の状況を保って中盤以降に突入すると、
藤井王将が得意とする終盤の強さが最大限発揮されると予想しています。
まずは第1局、どちらが勝って流れをつかむか。注目です。
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【対局前データ】2023年度成績
藤井聡太王将:33勝6敗(0.8461)
菅井竜也八段:24勝12敗(0.6666)
直接対決・対戦成績:藤井王将から見て14戦10勝4敗
過去の対戦成績だけ見ると藤井王将が優勢。
しかし、A級順位戦では菅井八段が勝っていますし、振り飛車との対局が少ないため
藤井王将としては戦いにくい相手と言えるのではないでしょうか。
ただ、今回は2日制で持ち時間も多くなるため、叡王戦の時よりは戦いやすくなりそうです。
懸念材料としては中飛車に対する準備。
過去の対局だけでなく、先日の福間香奈(旧姓:里見)女流四冠との記念対局でも中飛車で押し切られたため、
今回の王将戦でも菅井八段が7番勝負のどこかで採用してくる可能性が高いと予想しています。