名人戦第2局は藤井聡太竜王が勝ち2連勝!勝敗を分けた一手を解説

名人戦第2局のAI評価値速報・形勢判断-藤井聡太竜王vs渡辺明名人 名人戦
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将棋の名人戦第2局、藤井聡太竜王が渡辺名人に勝って2勝0敗。
名人位獲得に向けて一歩前進しました。
こちらの記事では勝敗を分けた一手を解説していきます。

【名人戦第2局】
開催日:4月27日・28日
主催: 毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟
持ち時間: 9時間(2日制)7番勝負
※藤井竜王の2勝/渡辺名人の0勝

【第2局のAI評価値速報】(第2局は藤井竜王が先手/渡辺名人が後手)
名人戦第2局のAI評価値速報・形勢判断-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
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【初手から振り返り】
※藤井竜王はいつも通り「初手お茶」から飛車先の歩を突きました。
渡辺名人は角道を閉じ、第2局も角換わり拒否しました。渡辺名人、藤井竜王得意の角換わりを先手・後手に関わらず
徹底的に避ける作戦を選択。
昼食休憩後にようやく着手。藤井竜王は角を右辺へ移動する一手を選択。双方見慣れない形に展開しています。
渡辺名人は左高美濃囲いのような陣形です。藤井竜王は矢倉に近いでしょうか?
駒がぶつかり合う前の段階で双方長考合戦になっており、進行が遅い展開に。
渡辺名人は9筋から攻める展開に。藤井竜王は全体的にバランスを取りながら右辺からの攻撃準備を整えています。
藤井竜王は攻めやすい状況が整っているので、評価値は互角とはいえ、多少藤井竜王が指しやすいかな、という印象でした。
渡辺名人は端攻めに一転集中させて、一気に攻勢に出たい展開ではないでしょうか。
お昼前後で、藤井竜王が驚きの角捨てから1筋突破の攻撃を仕掛けました。
急に激しい展開になってきました。
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中盤、藤井竜王が1筋から一気に仕掛けるのか?と思われた局面が勝敗を分けたこちらの場面。
名人戦第2局の勝敗を分けた一手
ここで藤井竜王は注目されていた1三角ではなく2筋に角を下げました。
この一手で評価値が逆転します。
藤井竜王にしては「らしくない一手」と言えるかもしれません。
もし、角捨てで飛び込んでいったら、相当激しい将棋になったと思いますが、勢いで押し切れた可能性もあります。
しかし、藤井竜王は厳しいと判断したようです。
ただ、そこから数手前の局面を考えると、恐らくは角捨てを考慮しての駒組だったように思えます。
引いてしまったという事は、確信を持てなかったのでしょう。
ここで踏み込んでいれば、歴史に残る一手になったかもしれませんね。
(中継の解説の方達も「これは角を切って攻め込んでいくだろう」という前提で話をしていたので、
驚きの声が挙がりました)

渡辺名人としては後手番で勝つチャンスが巡ってきました。
リードを確保しつつ、攻め合いの展開に持ち込みます。
その後、差が広がらないように藤井竜王も耐えますが、なかなか好転しません。
苦しい展開が続き、少しずつ差が広がって一時期は40%/60%まで広がったのですが、
複数の駒がぶつかり合う複雑な局面になり、藤井竜王が互角に戻します。
評価値では僅かに藤井竜王が逆転しましたが、形勢判断としては渡辺名人の方が攻めやすそうに見える局面が続き、
夕食休憩(17時~17時半)後も互角の状況が続く熱戦となりました。

終盤は渡辺名人が1手疑問手が出て、そこから藤井竜王優勢に傾きます。
桂馬で王手が掛かった場面、3筋に玉が逃げた場面は香車で桂馬を取っておくのが良かったかもしれません。
(その場合だと評価値はほぼ互角の状況が続いていた))
そこから後は藤井竜王が確実に差を広げていき、最大2時間程度あった持ち時間の差も
いつの間にか逆転する展開に。
最終盤は藤井竜王が好手・妙手を連発し、渡辺名人を投了に追い込みました。
最後は強い勝ち方で、渡辺名人を圧倒。
感想戦を聞いていたところ、途中で「なぜこの手を指さなかったのだろう?」と思っていたところも、
実は危険な反撃手があったことがわかり、AI最善手より良い手だった事がわかりました。
AIの進化で評価値を基準に見てしまいがちなんですが、藤井竜王は評価値では判断しにくい部分も
見えているように感じます。
震える程の強さでした。強い。

※こちらの記事もご覧ください
名人戦第2局で渡辺名人の心が折れた瞬間-勝負を決めた藤井竜王のAI超えの一手

渡辺明が藤井聡太に勝てない理由-なぜ勝てないのか原因を考察

名人戦第3局を10倍楽しむ見どころ解説-藤井聡太竜王vs渡辺明名人

【2人の直接対決/対戦成績】
藤井六冠から見て、21戦18勝3敗。渡辺明名人から見て、21戦3勝18敗。
藤井聡太六冠:18勝
渡辺明名人:3勝
渡辺名人としては「好勝負はできるけど、なかなか勝てない相手」という印象になっているのではないでしょうか。

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