名人戦第1局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太六冠vs渡辺明名人

将棋四段免状_藤井聡太竜王の署名入り 名人戦
【広告】

将棋の名人戦。藤井聡太六冠が「最年少名人」「七冠」を掛けて渡辺明名人に挑戦します。
こちらの記事で、AI評価値速報・形勢判断や勝負所の解説を紹介します。
【名人戦】
主催: 毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟
持ち時間: 9時間(2日制)7番勝負

※第2局の結果速報!こちらの記事もご覧ください
名人戦第2局で渡辺名人の心が折れた瞬間-勝負を決めた藤井竜王のAI超えの一手

※第5局の評価値速報
名人戦第5局の評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太竜王vs渡辺明名人

【AI評価値速報】
2日目20時40頃:渡辺名人が投了(110手)
名人戦のAI評価値速報・形勢判断-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
【広告】



【初手からの流れ】
※角換わりで始まるかと思いましたが、どうやら雁木の形(矢倉の変化形?)で進んでいるようです。あまり見ない形です。
渡辺名人、藤井六冠、2人とも時間を使ってゆっくり進行しています。15時で28手目。

※注目の振り駒は渡辺明名人が先手に。戦型は角換わりに進むかと思われましたが、渡辺名人が角道を止めました。
「防衛するには角換わりで藤井竜王を超える必要がある」と考えてガチンコ勝負に持ち込むと予想していたので、
この選択は驚きました。
渡辺名人が「何としても名人位だけは防衛したい」という強い気持ちの表れかもしれません。
(王将戦で羽生善治九段が様々な戦型で藤井竜王の得意な形に持ち込ませないようにしていたので、
それを参考にしたのかもしれませんね)
駒組のまま封じ手に行くのかと思われた夕方、藤井竜王の驚く仕掛けがあり急に展開が激しくなってきました。
2日目は朝から攻め合いの展開になりそうです。
封じ手は3筋の歩を取り込みにいくか、玉を7筋に寄せて手薄は8筋側の守りを固めに行くか、どちらかでしょうか。
封じ手が最善手以外の手だと、評価値が少しマイナス(藤井竜王)側に振れることになりそうです。
1日目終了時点で「消費時間(残り時間)がほぼ同じ」「評価値は全くの互角」という状況を考えると、
後手番の藤井竜王としては十分なスタートではないでしょうか。
渡辺名人はもう少し時間で差を付けたかったと思いますが、不慣れな形に持ち込むことで研究の差で
もう少しリードしたかったのではないかと思います。

藤井聡太六冠は現在「竜王、王位、叡王、棋王、王将、棋聖」のタイトルを保持。
残りは名人と王座です。
将棋界の中で最も歴史のあるタイトル「名人」、渡辺明名人が防衛に成功し「永世名人」の資格に向けて王手となるか。
(永世名人の資格は5期保有が必要で、渡辺名人は現在3期)
藤井聡太竜王がタイトルを奪取し七冠&最年少名人の記録達成なるか。
注目の名人戦が始まりました。

【最年少名人の記録保持者、谷川浩司十七世名人とは?】
谷川浩司とは?最年少名人記録を持つ将棋の永世名人-光速の寄せ
現在の記録保持者は筆者にとって憧れの棋士である谷川浩司先生。
今回、藤井聡太竜王が塗り替えるかもしれませんが、こうやって永世名人である谷川浩司先生が
再度注目されるのは、ファンにとって嬉しく思います。

【2人の直接対決/対戦成績】
藤井六冠から見て、19戦16勝3敗。渡辺明名人から見て、19戦3勝16敗。
藤井聡太六冠:16勝
渡辺明名人:3勝
タイトル戦に限定すると
藤井聡太六冠:13勝
渡辺明名人:2勝

【今年度成績】
渡辺明名人:23勝17敗(0.5750)
藤井聡太六冠:51勝11敗(0.8225)/勝率:1位(0.823(51勝-11敗))

【直近10局の成績】
渡辺明名人:6勝4敗
藤井聡太六冠:8勝2敗

【名人戦のポイント】
直近10局の成績だけ見ると、やや藤井竜王の方が好調なように見えますが、
渡辺名人の負けは藤井聡太竜王との棋王戦が含まれています。
渡辺名人は直前の対局で先手番で羽生善治九段に快勝しています。(棋聖戦の挑戦者を決めるトーナメント)
良い状態で名人戦に入れるので、初戦としては渡辺名人の方が指しやすいかもしれませんね。
対局間隔としても、棋王戦以来となる藤井竜王より直前で1局指している渡辺名人の方が勝負勘としては良いでしょうか。
そういった点を考慮すると、「振り駒」が重要になってくるように思えます。
渡辺名人としては振り駒で先手番を獲得し、勢いで先勝したいでしょう。
(第2局に向けて藤井竜王にプレッシャーを掛けられますし)

データだけ見れば藤井竜王の方が圧倒的有利なように見えますが、
タイトル戦でも棋王戦で藤井六冠から見て3勝1敗でしたが、第3局・第4局は最終盤までどちらが勝つかわからないような
展開が続き、「通算の対戦成績だけで藤井六冠が有利、とは判断できない」と言えるのではないでしょうか。
特に先手番で無敵を誇った藤井六冠の連勝記録を止めたのが渡辺明名人です。
「先手番角換わりの藤井竜王は世界最強」と広瀬八段が評していましたが、直近の藤井六冠先手番を倒せているのは
名人戦に向けてメンタル的にも大きいでしょう。
対して藤井六冠も今年に入ってから「後手番限定のスランプでは?」と言われましたが、
王将戦(羽生善治九段)→NHK杯(佐藤勇気八段)→棋王戦(渡辺明名人)と連勝しており、
調子を取り戻している事がわかります。
双方、先手番でも後手番でも「どちらが勝つかわからない」状況と言え、
藤井竜王が有利だとは思いますが、今までのタイトル戦よりも熱戦が期待されます。

タイトルとURLをコピーしました