叡王戦第3局は藤井聡太六冠にとって八冠制覇最大の難所

将棋会館の4階-特別対局室 叡王戦
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同時進行で行われる名人戦と比べると若干注目度が落ちる叡王戦ですが、
実は藤井聡太叡王が八冠制覇に向けた最大の難所と言える重要な対局と言えます。
今回の記事では、その理由を詳しく解説していきます。
※叡王戦第3局の対局予定:2023年5月6日(土)/先手:藤井叡王・後手:菅井八段

まず、藤井叡王は過去にタイトル戦でフルセットまでいったことがあるのは、
2021年にタイトルを奪取した際に豊島将之九段と戦った3勝2敗だけです。
(2日制のタイトル戦では、一度もフルセットまでいった経験がない)
第3局で菅井八段が勝った場合、藤井叡王は1勝2敗とリードされる展開となり、王手を掛けられてしまう。
防衛したとしても連勝が必要になり、フルセット確定となります。
また、初戦で負けてリードされた事はありますが、2局目で勝ってそのままリードする事が多く、
2局目以降でリードされた事もありません。
何より、タイトル戦での連敗経験がないので第3局で菅井八段が勝つと、今後を左右する大きな一生となります。
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同時並行で行われている名人戦は2勝0敗とリードしていますが、叡王戦は1勝1敗のタイ。
そして第3局は藤井聡太叡王の先手番です。
過去の直接対決・対戦成績は藤井叡王の6勝4敗で、菅井八段の4勝は全て先手番で記録したもの。
第3局は藤井叡王が先手番なので、ここで菅井八段が勝つと初めての「後手番での勝利」となります。
菅井八段は第1局・第2局と続けて三間飛車を採用し、エース戦法と言える中飛車を出していません。
その状況で1勝1敗と五分にしている状況を考えれば、菅井八段としては十分な展開。
第3局か第4局で得意の中飛車を投入してくる可能性は高いでしょう。

仮に藤井叡王が第3局で負けてしまうと、初のタイトル失冠が見えてくるだけでなく、
長引くと名人戦/棋聖戦への影響も出てしまいます。
八冠制覇に向けて苦しい展開となってしまうので、藤井聡太叡王にとって絶対に勝ちたい1局と言っていいでしょう。

注目度としては「最年少名人位獲得」「最年少七冠」の記録がかかっている名人戦の方が高いのではないでしょうか。
また、藤井聡太六冠にとって初めての海外対局となる棋聖戦も注目度の高いと言えます。
しかし上記で解説した通り、八冠制覇に向けて一番の難所は5月6日(土)に予定されている叡王戦第3局と考えています。

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※第4局の評価値速報はこちらで紹介しています。
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