名人戦第5局の封じ手局面をAI同士に戦わせた結果は藤井竜王と渡辺名人どちらが有利?

名人戦第5局の封じ手はどちらが有利?AI同士に戦わせた結果-藤井竜王vs渡辺名人 名人戦
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名人戦第5局の封じ手局面をAI同士に10回戦わせた結果を紹介します。藤井竜王と渡辺名人どちらが有利なんでしょうか?
人間同士に近い状況を作り出すため、考慮時間を1手数秒と短く設定して戦わせました。

【名人戦第5局】
対局日程:5月31日・6月1日(開催場所:藤井壮)
主催: 毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟
※藤井竜王の3勝/渡辺名人の1勝

【第5局:封じ手時点のAI評価値速報・形勢判断解説】(第5局は渡辺名人が先手/藤井竜王が後手)
(封じ手)54手目:+123(55%/45%)※渡辺名人は菊水矢倉模様、藤井竜王は雁木模様に構えています。
名人戦第5局AI評価値速報-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
ここまでの評価値は上記の通りです。
封じ手局面でどちらが有利なのかを示す指標になると考え、ここからAI同士に10回戦わせた結果を紹介します。
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AI同士で封じ手から投了まで戦わせた結果は・・・
名人戦第5局の封じ手からAI同士に10回戦わせた結果-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
藤井聡太竜王の1勝9敗(勝つ確率:10%)。渡辺明名人の9勝1敗(勝つ確率:90%)。
将棋AIの形勢判断としては、渡辺名人が有利、という結果になりました。
現状では持ち時間の差ががほとんどないため、参考になる結果だと思います。

※AI同士の戦いの場合、どうしても「ミスが発生しにくい」ため、今回のように封じ手の時点で5%程度の差があった場合だと、
「逆転するのは難しい」ので、その点は考慮する必要があります。
※この「封じ手局面からAI同士で戦わせた調査結果」ですが、前回(第4局)では藤井聡太竜王の8勝2敗という結果でした。
封じ手次第で大きく分岐が分かれてしまう場合もありますが、極限レベルの人間同士の戦いという点を考慮すると、
この結果は参考になるのではないでしょうか。

【1手1秒で将棋AI同士に戦わせた場合】
上記は3秒だったので、よりミスの発生が発生しやすい最短の1秒で設定してみました。
その結果がこちらです。
名人戦第5局の封じ手からAI同士に10回戦わせた結果-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
今度は少し差が縮まって、渡辺名人の7勝/藤井竜王の3勝でした。これぐらいが現実的に人間に近いイメージかもしれません。

尚、参考になるかどうかわかりませんが、私なりの形勢判断も記載しておきます。
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【人間の目で見た場合】
あまり参考にならないかもしれませんが、私(アマ四段/居飛車党)の意見も紹介します。
個人的な形勢判断としては、守りが堅い(守りやすい)分、藤井竜王の方が指しやすいように見えます。
藤井竜王の陣形は雁木で玉頭の防御に注意は必要ですが、全体的にバランスが取れている印象です。

攻撃の面でも駒交換から敵陣に打ち込む隙(横のライン)があるため、後々の攻撃に期待がもてる状況ですし、
陣形としても余裕があるため、中盤の形勢判断としてはやや藤井竜王が指しやすい状況に見えます。
交換でも何でもいいので飛車を入手する展開になれば、渡辺名人の玉を横から攻めやすいので
最終盤で一気に攻めるチャンスが来るかもしれません。

封じ手予想にもなりますが、例えば封じ手が「6五歩」か「7五歩」だった場合、
AI同士の対局結果も変わってきます。9筋の端歩を突く手も候補に入りそうです。
個人的に一番良いかな、と思っているのは6筋の方。
例えば、6五歩⇒同歩と応じた場合に4筋に銀を打ち込む手はどうでしょうか。(桂馬の横っ腹に銀を打ち込む)
仮に封じ手がこの手だった場合、その後をAI同士に戦わせると結果が変わりました。
名人戦第5局の封じ手からAI同士に10回戦わせた結果-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
封じ手がハッキリしていない状況で試した結果は渡辺名人が9勝1敗でしたが、今度は20局戦って渡辺名人12勝8敗(60%/40%)とだいぶ競ってきました。
封じ手候補になりそうな手を一通り試してみましたが、一番良かったのは6筋からの攻めでした。
ちなみに封じ手が7五歩だった場合、持ち時間を1手2秒にして戦わせたところ・・・
名人戦第5局の封じ手からAI同士に10回戦わせた結果-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
私が実験した中では、唯一藤井竜王側が勝ち越しました。(10戦6勝4敗)
そう考えると、有力な封じ手候補は7五歩/6五歩に絞っていいかもしれませんね。

渡辺名人の陣形は菊水矢倉模様である程度ガッチリ囲っているのですが、
横からの攻撃や、打ち込まれる隙が多くあるので、やや不安があるように見えます。
終盤で飛車を渡すような場面があると、一気に攻め落とされる危険性があります。
ただ、中盤の手順が自然な流れで無駄がなく、渡辺名人はここまで完璧な指し回しではないでしょうか。
4筋からの歩突きが期待できる攻撃手で、局面が落ち着くようだと渡辺名人が攻めやすい展開と言えそうです。

渡辺名人が封じ手の後をノーミスでいければ将棋AI同士の戦いのように、渡辺名人が有利。
藤井竜王としては耐えてミスを誘う展開に持ち込めるかどうか。
人間の感覚とAI同士の戦いでは判断基準が違うため、私なりの見解も紹介しておきました。

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