藤井聡太が名人を超えた瞬間-名人戦第5局の歴史に残る好手で最年少名人・七冠達成!

名人戦第5局で最年少名人・七冠を決めた一手-藤井竜王の勝因と渡辺名人の敗因 名人戦
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小学生時代に書いた「名人をこす」という目標を実現した藤井聡太竜王。
最年少名人・七冠を決めた一手は、渡辺明名人が「読めていなかった」とコメントしたように、
まさに「名人をこす」好手でした。

【名人戦第5局】
対局日程:5月31日・6月1日(開催場所:藤井壮)
主催: 毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟
※藤井竜王が4勝1敗で名人位を獲得・七冠達成。

【第5局のAI評価値】(第5局は渡辺名人が先手/藤井竜王が後手)
名人戦第5局AI評価値速報-藤井聡太竜王vs渡辺明名人
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渡辺明名人の深い研究が伺える序盤は渡辺名人がリードする展開に。
逆転したのは昨日も解説したこの一手でした。
※渡辺明先生が対局後にこの手を「読めていなかった」とコメントを出していました。
6六角の後、渡辺明先生は長考しており、対応に苦慮していたことが伺えます。
名人戦第5局で最年少名人を決めた一手を解説-藤井竜王の勝因/渡辺名人の敗因
先手65%/後手35%程度で劣勢だった藤井竜王は、この少し前の局面から勝負手(4筋への角打ち)を放っていきます。
続け様に6六角と攻め立てた一手が、勝負を決め「名人をこす」を実現した一手となりました。

ここで長考した渡辺名人は2三桂打と打ち込みます。
中継を観戦していて「自然な手は同金と角を取る手」と考えていましたが、
この手を予想していなかった渡辺名人は長考。この先にある手を読み切れなかったのもあると思いますが、
一気に決めに行く手(2筋への桂打ち)を選びました。
この一手で一気に評価値が互角に。その後、すぐに藤井竜王に逆転されました。

この渡辺名人の一手はAIでも判断を迷う難しい局面。
AI候補手でも最初は「最善手」に表示される一手でした。
(将棋AIソフトで+300ぐらいの評価値だったので、「先手有利」の範囲になる評価だった)
その後、しばらくAIに検討を続けさせていると下記のように候補手/最善手が変わっていきます。
名人戦第5局で最年少名人を決めた一手の評価値-藤井竜王の勝因/渡辺名人の敗因
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2三桂打はマイナスになる一手と評価値が下がっていきます。
AI候補手でも評価が大きく変わる難しい一手でしたが、中終盤でこのマイナスが大きかった。
藤井竜王はその隙を逃さず、一気に逆転します。
終盤で藤井竜王がリードする展開、そして残り時間が藤井竜王の方が多い状況になれば逆転する事は困難。
最後まで隙の無い手を指し続け、完璧な指し回しで渡辺名人を投了に追い込みました。

事前研究の深さを感じる序盤・中盤は渡辺名人がリードしていました。
それだけに、渡辺名人としては悔やまれる一局になったでしょう。
ただ、ここ数年で藤井新名人以外にはタイトル戦で負けていないこともあり、
まだまだトップクラスの棋士である事は間違いありません。
「渡辺明九段」から再度タイトル保持者に返り咲くことができるかどうかわかりませんが、
この先の将棋界を盛り上げる棋士の1人であることは確かです。

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