将棋の女流タイトル戦で福間(旧姓・里見)香奈女流五冠が2戦連続で体調不良による不戦敗となりました。
産休直前で妊娠の影響が大きいと考えられておりますが、他棋戦などの日程の関係で延期することができず、
不戦敗という事になりました。
(将棋連盟はスケジュールの都合上、延期が難しいと説明)
通常の仕事と違い、タイトル保持者/または挑戦者ですから「代わりに誰かがフォローする」ということができません。
真っ先に思いつく調整案としては「延期」ですが、可能な場合は延期の措置がとられています。
しかし、今回はスケジュール調整が困難で、延期が難しいことから不戦敗という結論になりました。
難しい部分はありますが、私なりに考えた案を記載します。
【広告】
これなら代替案として考える余地はあるのでは?と考えているのはボクシングの暫定チャンピオンの制度です。
ボクシングのチャンピオンが「病気・ケガなどのやむを得ない事情で長期間防衛戦が行えない」という場合は、
別の選手を一時的に王者に置く制度です。
※多くの場合が、上位ランカー同士による王座決定戦が行われ、勝者が暫定王者と認定されます。
その暫定王者は防衛戦を行うことができますが、正規のチャンピオンが復帰した場合は、暫定王者とタイトル戦を行う必要があります。
将棋界でも同じようなことができるのではないでしょうか。
例えば、今回のようにタイトル保持者が妊娠・産休により対局が困難な状況の場合。
挑戦者決定戦の勝者を暫定王者に認定する。
スポンサー事情等もあるでしょうから、たんに「不戦敗」とするよりも良いのではないでしょうか。
暫定王者を決める戦いは別に用意してもいいかもしれませんが、挑戦者決定戦を暫定王者を決めるタイトル戦にしておくのが手っ取り早そうです。
その後、産休明けから復帰した後、暫定王者とタイトル戦を行う。
賞金の面などで調整する必要はあるかと思いますが、十分可能ではないでしょうか。
(暫定王者を決める対局については、通常の挑戦者決定戦と同じ対局料にしておいて、
復帰後の休み明けのタイトル保持者vs暫定王者の対局の際に通常のタイトル戦と同じ対局料にすればいいのでは)
他のタイトル戦・棋戦との調整が難しく「後日の対局予定を組む」というのが難しいのは変わらないと思いますが、
数か月あるので日程調整は可能ではないでしょうか。
(場所については将棋連盟(新将棋会館)を有効活用した方が良さそうです。(場所の調整が不要になるので)
興行として旅館などで対応したい場合は、開催経験のある場所を中心に再調整するのが良いでしょうか)
尚、挑戦者に決まっている女流棋士が同じような状況になった場合、一旦挑戦者決定戦で負けた方を挑戦者にしてタイトル戦を行い。
産休に入った方は次のタイトル戦の際に、挑戦者決定戦から登場できる等の調整を行うのも1つの選択肢になると思います)
産休の場合、事前にわかっている状況がほとんどですから、妊娠が分かった時点でその方の対局について
調整に入るべきでしょう。(万全の状態で指せるとは思えませんので、産休に入るギリギリまで対局を組むのは可能な限り避けたい)
ある程度は状況に応じて臨機応変に対応していく必要が生じるかと思いますが、
今後の女流棋士界の発展を考えて、是非導入を検討してほしいと思います。
(状況が各々の事情で変わってくるため)無理に制度化する必要はないと思いますが、
安心して妊娠・出産ができるような将棋界になるといいですね)
今回の話、今後避けて通れない議論です。
女流棋戦だけではなく、近い将来「初の女性棋士」が誕生するでしょうし、その後続く方も出てくるでしょう。
今後、必然的に同様の課題が棋士のタイトル戦でも発生する可能性が生じます。
(藤井聡太七冠の対局相手が女性棋士、という場合も出てくるでしょう)
今回、こうやってクローズアップされたことは良い機会になるかと思います、
避けて通れない議論ですし、女流棋士の方や今後誕生するであろう女性棋士の方が安心して将棋に取り組める環境を整えるためにも、
議論を深めていく必要があるでしょう。
【広告】