王座戦第2局は藤井聡太王座が圧倒的な強さを見せ連勝!
今回の記事では「将棋史に残るかもしれない絶妙手」と「投了図」の解説を紹介します。
これで2勝0敗。藤井王座は防衛に王手となりました。
72期:王座戦第2局:2024年9月18日(水)
主催: 日本経済新聞社、日本将棋連盟
【AI評価値・形勢判断解説】(先手)藤井聡太王座vs(後手)永瀬拓矢九段
藤井王座の先手で始まり、角換わりに誘導。受けて立つ永瀬九段。
序盤からテンポよく進み、80手ぐらいまで進んだ段階で永瀬九段は7分しか使わないという高速の指し回し。
藤井王座は慎重に進めていきますが、永瀬九段はここまで研究しているのか、と驚かされる程に短い時間で指していきます。
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【将棋史に残るかもしれない絶妙手】
王座戦第2局で一番印象に残った一手はこちらです。
永瀬九段の8四桂打に対して、藤井王座が4六香打と打ち込んだ一手。
この一手、非常に指しにくく、選択するのは困難な一手です。
(AI候補手としては最善手ではない。AI最善手は6七銀と下がる手でした)
まず、打ち込んだ桂馬で7六にいる銀をタダで取られてしまいます。
しかも、その手が王手になるので永瀬九段の攻撃ターンが続いてしまいます。
いくら相手の玉頭を攻められるといっても、銀のタダ捨てに加えて王手にもなってしまう手を差し出すのは
「並大抵の指し手にはほぼ無理」と言える程に難しい。
藤井王座としては銀を捨て王手をかけられても、右辺が空いているので逃げて時間は稼げる。
それよりも「最善手は永瀬九段の研究範囲だろう」と考えて、「予想のつかない強烈な攻めを選択した」のでしょう。
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その後は藤井王座が慎重に進め、少しずつリードを広げていきます。
評価値のグラフは藤井曲線を見せる展開となり、第1局に続いて完勝でした。
【投了図】
この2五角打で永瀬九段が投了しました。
3四桂で間駒をすると、同角⇒同玉⇒4四金で詰み。
4二玉は⇒4三金⇒4一玉⇒4二歩⇒3一玉で打ち歩詰めに持ち込めますが、先手玉は詰まないので
8一銀不成とすれば先手の勝ちです。
2五同香は同角。(3四に合駒できないため後手玉が詰みます)
強い勝ち方で王座戦2連勝。藤井王座は初防衛に向けて連勝です。
第3局は9月30日(月)に行われます。