本日はALSOK杯王将戦第3局1日目封じ手までの解説です。
藤井聡太王将vs羽生善治九段
【王将戦】主催:毎日新聞、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟
※第6局の評価値速報はこちら
王将戦第6局のAI評価値速報・形勢判断解説-藤井聡太王将の防衛か?羽生九段が通算100期に逆王手?
【王将戦第3局・評価値/形勢判断速報】(1日目封じ手の局面)(+57)互角。
封じ手がAI候補手のTOP5どれを指しても、+100程度に差が広がる見込みです。
「互角」と言っていい状態ですが、AIは僅かに藤井王将と判断しているようです。
人間の目で見ると、「羽生九段が抑え込んでいるように見える」ので、位取りの考え方では優位に見えますが、
羽生九段の攻撃の波を藤井王将が一旦受け止められたことで、ここから藤井王将の反撃が始まりそうな雰囲気です。
※2日目の評価値・形勢判断速報はこちらです。
王将戦第3局2日目封じ手後の評価値・形勢判断速報-藤井聡太王将vs羽生善治九段
【1日目を振り返る】
第1局は藤井聡太王将が制し、第2局は羽生善治九段が勝利で1勝1敗。
第3局は藤井王将の先手で始まりました。
注目の戦型は藤井王将が角換わりに誘導すると見られていましたが、まずは飛車先の歩を進めてから
羽生九段が角道を開けたのを確認して同じく角道を開けました。
対する羽生善治九段は「横歩取り」なのか「振り飛車なのか」「雁木なのか」と将棋ファンの間でも予想されていましたが、
振り飛車に動きそうな気配を見せながら雁木の構え・囲いに。
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序盤は羽生九段が藤井王将を迷わせて時間を使わせる狙いに見えました。
しかし、藤井王将は時間を使わずにスムーズに応じて午前中を終えます。
状況としてはお昼の時点で角銀交換が発生し、激しい駒のぶつかり合いに。
棋譜を最初から観ていましたが、「不慣れな形に誘導して惑わせようとする羽生九段」に対して、
「どうぞ、ご自由に。受けて立ちましょう」と正面から受けて立つ藤井王将の構図に見えました。
早い段階から殴り合いの展開になり、緊張感が高まります。
お昼前に羽生九段が放った飛車取りの銀打ち藤井王将が長考。昼食休憩を挟んで1時間以上の長考となりました。
この時点でAI評価値としては少しだけ藤井王将に振れていたのですが、
私の目(アマ四段)には後手の羽生九段の方が藤井王将を上部から抑え込んでおり、指しやすいように見えました。
午後はペースダウンして数手しか進みませんでした。展開としては羽生九段が攻め、藤井王将が耐える展開。
封じ手までの消費時間は藤井王将が約4時間、羽生九段が3時間半程度。
研究に活用しているAI将棋ソフト「水匠」の評価値・形勢判断としては+100前後と「ほぼ互角ですが、やや先手有利」ぐらいの状況です。
残り時間を考慮すると、ほぼ差が無いと考えて良さそうです。
※ただ、個人的な見解としては「一旦攻撃を耐えて、封じ手後は藤井王将のターンではないか」という状況に見えます。
羽生九段は玉の周りが手薄なので、反撃されると苦しいかもしれません。