女流王位戦第2局で勝負を決めた一手を評価値解説-里見香奈女流王位が勝って1勝1敗

女流王位戦第2局は里見香奈女流王位が勝って1勝1敗 女流棋士
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女流王位戦第2局の勝負を決めた一手を評価値を参考に解説していきます。
里見香奈女流王位が勝って1勝1敗のタイに戻しました。

(先手)里見香奈女流王位VS(後手)伊藤沙恵女流四段
主催: 新聞三社連合、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会
※2人の対戦成績:34回対戦があり、里見女流王位が24勝10敗と勝ち越し。

【AI評価値速報・形勢判断】
中盤までは五分の状態が続いていましたが、1手の疑問手をキッカケに里見香奈女流王位が抜け出してリードを広げます。
その後は評価値に多少の揺れ動きはありましたが、終始優位な状態を保ったまま勝利を収めています。
女流王位戦第2局のAI評価値速報-里見香奈女流王位VS伊藤沙恵女流四段
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先手は里見香奈女流王位。得意の中飛車を選択します。
伊藤女流四段は向かい飛車で対抗。
その展開に里見女流王位は序盤で飛車を振り直し、居飛車の位置に戻します。
AIとしては飛車を振る一手や戻す一手を評価しないかもしれませんが、
局面を見る限り2筋を守る意味で必要な一手だったように思えます。

里見女流王位は天守閣美濃(囲い)の形に進行。
伊藤女流四段は美濃囲いから銀冠に構えて上部を厚くしていきます。
守りを固めた後、右辺で開戦。
飛車が中段で交差する激しい展開になり、勝負を分けた局面を迎えます。
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女流王位戦第2局のAI評価値速報-里見香奈女流王位VS伊藤沙恵女流四段で勝敗を分けた盤面
ここで伊藤沙恵女流四段が指した一手は2四飛打でした。
この一手、AI将棋ソフトで検討すると悪手判定(-583)と一気に評価値が先手側に振れます。
女流王位戦第2局のAI評価値速報-伊藤沙恵女流四段の疑問手
ここでは2四に飛車を打ち込むのではなく、7六に歩を打ち込み角頭を攻めるのが最善手だったでしょうか。
そこから角が逃げた後に桂馬を跳ねて7七の地点を攻める拠点ができますので、相手の玉に近い位置を攻められます。
この一手で逆に里見香奈女流王位が相手の桂頭を攻める隙が生じてしまい、伊藤女流四段は玉頭から崩されていきました。
一見、大きなミスには見えないような一手でしたが、攻められるチャンスを逃したことで評価値を大きく下げる一手になりました。
(結果的に、勝機を逃す一手に)
棋譜の流れを確認すると、その隙を見逃さず攻めて最後まで逆転を許さず里見女流王位が強かった。
これで1勝1敗のタイ。
女流棋士界が盛り上がっていくには良い対局を将棋ファンに披露することが大切です。
女流棋戦の発展のために、第3局以降も良い内容の対局を期待しています。

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