叡王戦第4局で魅せた歴史に残る一手!藤井聡太叡王、脅威の終盤力を解説

叡王戦第4局で藤井聡太が魅せた歴史に残る一手を解説 叡王戦
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今回の記事は叡王戦第4局で藤井聡太叡王が防衛を決めた脅威の一手をAI評価値を参考に解説します。
谷川浩司十七世名人の「光速の寄せ」を彷彿とさせる詰め手筋で、間違いなく歴史に残る一手。

主催: 不二家、日本将棋連盟
協賛: レオス・キャピタルワークス(特別協賛)、 中部電力・豊田通商・豊田自動織機・日本AMD

終盤、藤井聡太叡王がリードして迎えた終盤戦。
私(アマ四段)だったら「一気に決める」手順は思い浮かばなかったので、
確実に寄せに近づける3筋への金打ちを選択していたと思います。

実際、AI将棋ソフトに検討させても、「詰み」を見つけるのにだいぶ長い時間が掛かりました。
中継を観ていた限り、藤井聡太叡王は残り4分から2分で2九龍の一手を指しています。
中継のAIでは、藤井叡王が指したタイミングでは詰みを見つけられていなかったのですが、
2九龍の一手を指した直後に「詰み(が有る)」と表示されました。
叡王戦第4局で藤井叡王が勝負を決めた一手の評価値の変化
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藤井竜王は大体2分でこの一手に着手。(23手詰め)
ABEMAの中継では藤井叡王が2九龍と指した時点で、詰みを発見できていない。(大体2分程度)
水匠で何度か検討させてみましたが、5分程度で詰みを発見できる場合と、10分以上考えても見つけられない場合がありました。
(上記画像は、10分以上調べさせても詰みを発見できなかった時の結果。
候補手を10手まで表示させても、該当の一手は表示されていない事がわかります)
※何度か試して平均速度等を出すと印象が変わるかもしれませんが、多少ソフトやバージョンによって
得手不得手があるのかもしれません。
※観る将・初心者の方向きではない話になりますが、例えば同じAI将棋ソフトでも大会用にカスタマイズされたものや、
根本的に思考回路が違うもの、特定の定跡を入れていたりすることで、だいぶ傾向が変わります。
今回はそういったAIの特性による違いが出やすい局面だった事や、藤井六冠の読みの深さが凄かった、という事だけ
伝われば十分ではないかと思います。

順番が前後してしまいましたが、中継の解説者達も驚いていた一手が出た局面がこちらです。
叡王戦第4局で藤井叡王が勝負を決めた局面
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上記の局面で、龍(飛車)を切って詰める手筋を見つけられる人がどれだけいるのか。
しかも、残り4分の状態(指すまでに使った時間は約2分)です。
中継の解説の方は気づいていませんでしたし、中継のAIも詰み表示が出ていませんでした。
私が活用しているAI将棋ソフトの結果は、上記の通りです。
アマ四段程度の私の棋力だと、3九金と打ち込んで、確実に寄っていく手が直感で浮かびましたが、
それ以上の手は思いつきませんでした。

その場面では読み切っていたようで、「将棋の渡辺くん」でも紹介されていたように
読み切ったことがわかる「すーん」の状況になっていました。
菅井八段としては「え、俺詰んでるの?」という状況だったのではないかと思います。
その後、王手に対して手を進めても迷わず、すぐに指してくるので読み切られている事を悟ったのではないでしょうか。
1日に3局目となる体力・気力勝負の中、勝負を決めた歴史に残る詰み筋。
詰将棋が得意なはずのAI以上の速度で詰みを読み切った藤井聡太叡王の終盤力、凄いですね。
全盛期の谷川浩司十七世名人の「光速の寄せ」を彷彿とさせる、凄まじい一手でした。

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