竜王戦第2局は藤井竜王が快勝で2連勝!AI評価値が激しく揺れ動いた終盤を解説

竜王戦第2局は藤井竜王が快勝!終盤のAI評価値が揺れ動いた局面を解説竜王戦
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竜王戦第2局、藤井竜王が勝利して連勝スタート。八冠制覇後、初の対局でしたが
伊藤匠七段相手に強い勝ち方を見せてくれました。

第36期竜王戦第2局:10月17日、18日
主催: 読売新聞社、日本将棋連盟

【AI評価値・形勢判断解説】(先手)藤井聡太竜王vs(後手)伊藤匠七段
封じ手の局面で既に少し差がつき始めていましたが、2日目はそのリードが少しずつ広がっていく藤井曲線を見せます。
しかし、最後に急激にAI評価値が揺れ動くタイミングがあり、藤井竜王のファンは心配しながら観戦していたのではないでしょうか。
竜王戦第2局AI評価値-藤井聡太竜王vs伊藤匠七段
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角換わりでスタートした竜王戦第2局。
封じ手局面では「やや藤井竜王が形勢良し」という展開から2日目が始まり、
藤井竜王が全体的に駒を底上げして敵陣に迫る展開に。
(自陣の駒が少なく、入玉もあるのでは?と思わせる前傾姿勢の展開)

伊藤匠七段は勝負所とみたのか、長考で勝負をかけていきます。
※結果的に、この時間差が下記で触れる終盤の勝負所に効いてきたように感じました。

藤井曲線を描く展開でそのまま決着するかと思われましたが、終盤AI評価値が激しく揺れ動く展開になります。
竜王戦第2局AI評価値-藤井聡太竜王vs伊藤匠七段
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藤井竜王が指した一手が悪手判定されていますが、これは恐らく「詰まない事を読み切った」のではないでしょうか。
AI評価値としては悪手判定だったとしても、「一手差で勝てる」事がわかっていれば、藤井竜王としては問題なかったのでしょう。
伊藤匠七段が指した104手目の銀を繰り出した一手が、将棋AIソフトでは悪手の判定。
この局面では他にいくつか候補手があり、4筋の銀を成らずで5筋に引いて王手をかける。
同玉と取らせてから、4筋から攻めて行く手が有力だったように思えます。
しかし、先に時間を使い切って藤井竜王が時間に余裕がある状況では、指し手の精度の部分で不利になってしまいます。
時間に追われている状況では、最善手を指し続けるのは困難だったでしょう。

逆に、藤井竜王は最後の詰みを見逃しませんでした。
時間に余裕があったことで、得意の終盤力が活かされる展開になっており、
第2局は完勝に近かったのではないでしょうか。

終盤に入る前に、持ち時間の差で負けている状況だと「最後の直線勝負」で引き離されてしまう。
以前から言われている「藤井対策」の1つとして、「研究で序盤から時間を使わせ、
終盤に自分の方が時間を残した状態にしておく」というのは、
王座戦・竜王戦を比較してみると「有効な作戦」であることがわかります。
これで藤井竜王が2連勝スタート。
第3局以降で伊藤匠七段が意地を見せるか。このまま藤井竜王が押し切るか。
第3局で伊藤匠七段が勝てないと、第4局は藤井竜王が先手番となるため4連勝での決着も考えられます。
伊藤匠七段は第3局が「絶対に負けられない一局」になります。

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