王座戦第3局は藤井七冠が大逆転勝利で八冠に王手!永瀬王座を迷わせた勝負手を解説

王座戦第3局は藤井七冠が大逆転で八冠制覇に王手! 王座戦
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王座戦第3局は藤井聡太竜王・名人が奇跡の逆転勝利!2勝1敗でタイトル奪取に王手!
永瀬王座を迷わせた藤井七冠の勝負手を解説します。

71期:王座戦第3局:9月28日(水)
主催: 日本経済新聞社、日本将棋連盟

※王座戦第4局の速報
王座戦第4局は藤井聡太が奇跡の大逆転!八冠制覇を決めた一手を徹底解説

【AI評価値・形勢判断解説】(先手)藤井聡太竜王・名人vs(後手)永瀬拓矢王座
王座戦第3局AI評価値-藤井聡太竜王・名人vs永瀬拓矢王座
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【AI評価値が激しく動いた局面】
AI評価値のグラフを見ていただくとわかる通り、藤井竜王・名人が一瞬の逆転劇で勝利を収めました。
その局面がこちらです。
王座戦第3局の勝負手-藤井聡太竜王・名人vs永瀬拓矢王座
2一飛車と打ち込んだ場面で、AI評価値としては永瀬王座が90%以上になるぐらいの大きな差がありました。
終盤に入っており、逆転するのは困難な状況のように見えました。
ここで永瀬王座が指した一手は4一飛車打でした。
この一手で評価値が一気に互角に戻り、次の一手で一気に逆転します。
どれだけ大きな変動だったのか、以下の推移を見ると伝わるのではないでしょうか。
王座戦第3局の勝負手-藤井聡太竜王・名人vs永瀬拓矢王座
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一瞬の逆転劇で、AI評価値が「藤井竜王・名人の勝勢」に変わります。
4一飛車打の一手は3一歩打と「金底の歩(底歩)」で守っておけば、永瀬王座が押し切ったかもしれません。
永瀬王座の狙いとしては、恐らく「藤井竜王・名人が2一飛車を切って飛車交換になるのでは?」と判断したのではないでしょうか。
そうすると、王が4一に移動し、仮にまた2一飛車と打ち込まれたとしても、合駒で防ぎやすいと判断したのかもしれませんね。
または、その後に4三銀などの攻め手があり、金底の歩を避けたのはそういった「その先に怖い手がある」と感じていたのかもしれません。
ただ、最大の原因は時間がなかったことでしょう。
残り時間が十分にあれば3一歩と打って防いだのではないか・・・と思える局面でした。
(仮に打てたとしても、その後は細い攻めが続きAI最善手だけが正解で、他は全て逆転、というような状況でした。
終わってからじっくり棋譜を確認すると、仮に3一歩だったとしても藤井竜王・名人が逆転したのではないでしょうか)

この局面、藤井竜王・名人がかなり不利な状況でしたが、最後まで勝負を諦めずに難しい局面に誘導し、
ミスを誘う展開になっていました。
上記局面でのAI候補手を見ると、以下のような評価値です。
王座戦第3局AI評価値-藤井聡太竜王・名人vs永瀬拓矢王座
永瀬王座が指した一手はAIが次善手と判定した手でした。
このように、正解が一手しかないギリギリの局面で、「残り時間の無い状況で、最善手以外は一気に追いつかれる」
という状況に追い込んだ藤井竜王・名人。
王座戦の挑戦者決定トーナメントで村田六段に奇跡の逆転勝利となった一局に通ずる粘りでした。
この次の一手で、永瀬王座は驚いたように見えました。
王座戦第3局の勝負手-藤井聡太竜王・名人vs永瀬拓矢王座
この6五角打が強烈。金の両取りだけでなく、仮に永瀬王座が2一の飛車を取ろうものなら一気に攻め落とされる可能性がありました。
紹介した数手で形勢が逆転し、そのまま藤井竜王・名人が押し切りました。

これで王座タイトルの奪取/八冠制覇に王手。
注目の第4局は10月11日に行われます。

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