名人戦のタイトル挑戦をかけたA級順位戦のプレーオフが3月2日(木)に行われ、
藤井聡太竜王が広瀬八段に勝利。名人タイトル挑戦者に決定しました！
先手：藤井聡太竜王／後手：広瀬章人八段
※AI評価値推移
※振り駒の結果、藤井竜王が先手となり、角換わり腰掛銀の形で進みました。
※藤井竜王が棒金の形で攻める展開に。
※藤井竜王の3筋への歩打ちが想定外だったのか、広瀬八段が長考。
※夕食時点でも互角の戦いが続く接戦となりましたが、最後は藤井竜王が制して名人挑戦権を獲得しました。
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終盤、評価値では藤井竜王がリードしていたものの、一手間違えれば即逆転するようなギリギリの戦いが続きました。
評価値のグラフを見ると広瀬八段側に振れている場面はなく、藤井竜王の完勝のように見えますが、
余裕のある戦いではなかったでしょう。
勝負所はいくつかありましたが、筆者の考える勝敗を分けたポイントは終盤の「藤井竜王の桂打ちによる王手に対して、広瀬八段が1筋に逃げた一手」を挙げます。
ここは逃げ道が広がっている3筋の方に逃げたくなる局面ですが、広瀬八段にはそれがかえって厳しくなる、と感じていたのでしょう。
結果的に、その後は評価値の差が開く一方になりました。
100手近くまで「どちらが勝つかわからないな」と感じるギリギリの戦いが続いていた為、藤井竜王としても「完勝」とは思えないでしょう。
「苦しい将棋を何とかものにできた」と感じているのではないでしょうか。
これで渡辺明名人への挑戦権を得た藤井聡太竜王。
現時点では竜王・王位・叡王・王将・棋聖の五冠ですが、棋王戦は2勝1敗とリード中で六冠も視野に入っています。
羽生善治九段との王将戦（3勝2敗でリード）で防衛すること、そして棋王戦でタイトル奪取することが前提となってしまいますが、
渡辺明名人への挑戦が七冠達成に向けた挑戦になる可能性が出てきました。
先日の棋王戦で藤井竜王の先手番連勝を止めた渡辺名人ですが、対戦成績はかなり負け越しているため、
藤井竜王が挑戦者となったことで、渡辺明名人は苦戦を覚悟するシリーズとなりそうです。
仮に藤井聡太竜王が順調にタイトル戦を「王将防衛」→「棋王奪取」→「名人奪取」と進むと七冠に。
八大タイトルのうち、序列の高い竜王と名人の両方を獲得することになり、
名実ともに将棋界を代表する棋士となります。
