藤井聡太七冠を迷わせた佐々木大地七段の絶妙手-棋聖戦第2局

棋聖戦第2局で勝負を決めた一手-藤井聡太vs佐々木大地 棋聖戦
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棋聖戦第2局は佐々木大地七段が勝って1勝1敗のタイに戻しました。
今回の記事では藤井聡太棋聖を迷わせた佐々木大地七段の勝負手を解説します。

【第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局】
主催:産経新聞社、日本将棋連盟

※第3局の速報!藤井聡太棋聖の新手を詳しく解説します。
藤井聡太の新手炸裂!棋聖戦第3局の歴史に残る驚愕の一手は将棋界の常識を覆す好手

【第2局のAI評価値】(先手:佐々木大地七段、後手:藤井聡太棋聖)
棋聖戦第2局AI評価値速報-藤井聡太七冠vs佐々木大地七段
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【初手からの流れ】
相掛かりでスタート。急戦模様で激しい序盤になり、角交換の展開に。
序盤は佐々木大地七段の研究範囲だったか、午前中はほとんど時間を使わずに進みます。
藤井棋聖は長考を入れ、慎重に駒組を進めていきます。
中盤に入って評価値に大きな差はありませんが、佐々木大地七段の方が指しやすい形になり、
藤井棋聖に誤算があったのかもしれません。

佐々木大地七段がリードする展開になりましたが、藤井聡太棋聖も粘って少しずつ戻す展開に。
一度は藤井棋聖が逆転しましたが、佐々木大地七段が最後一瞬の隙を突いて逆転勝利。
終盤で出た絶妙手がこちら。
棋聖戦第2局で勝負を決めた一手-藤井聡太七冠vs佐々木大地七段
将棋AIソフトでも最善手で表示されていた5五角打ち。
この一手で先手のリードがハッキリしました。
珍しく藤井棋聖が終盤読み切れていなかったのか、直前の手で評価値を下げてしまいます。
しかし、その次の一手が重要で、そこで最善手を指せなければすぐ評価値は戻ってしまう。
佐々木大地七段は、そこで5五角打と最善手を導き出し、リードを確保してそのまま藤井棋聖を投了に追い込みました。

実はこの5五角打の後、藤井棋聖の指し手に乱れが生じており、精度が若干落ちたように感じました。
最終盤の数手、AI評価値の推移を紹介します。
棋聖戦第2局で勝負を決めた一手のAI評価値-藤井聡太七冠vs佐々木大地七段
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驚異の終盤力を誇る藤井七冠には珍しい状況で、読み切れていなかった印象があります。
推測にはなりますが、恐らく5五角打を予測しておらず、終盤の速度計算に迷いが生じたのではないでしょうか。

以前、羽生会長がインタビューで「藤井聡太さんの強さは、異常な速度計算」と話していたことがありました。
要約すると相手を詰ませる終盤の読む力が、他の棋士と比べて格段に能力が高い。
その為、「1手の差で勝てる」という判断が正確で、その判断能力によってギリギリの勝負で勝ち抜いてきたと考えています。
その藤井七冠を迷わせた一手。それが佐々木大地七段の今回紹介した一手だったのでしょう。
これで1勝1敗のタイに戻した佐々木七段。
今年に入って驚異的な成績ですが、勢いは本物ですね。
圧倒的な強さを誇る藤井七冠を苦しめる挑戦者として、将棋ファンを楽しませてくれそうです。

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