本日行われた島井咲緒里女流二段vs鎌田美礼女流2級の対局について、AI評価値を参考にしながら解説します。
鎌田美礼女流2級が劣勢を跳ね返し逆転勝利!最後は13手詰めで抜群の終盤力を魅せてくれました。
※昨年デビューした中でも注目度が高い鎌田美礼女流2級と四間飛車穴熊が得意の島井咲緒里女流二段の対局です。
第17期マイナビ女子オープン予備予選
主催:株式会社マイナビ、日本将棋連盟
島井咲緒里女流二段vs鎌田美礼女流2級
【AI評価値・形勢判断解説】
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【初手からの流れ】
島井咲緒里女流二段は得意の四間飛車/穴熊に構え、先手の鎌田美礼女流2級は居飛車/天守閣美濃の陣形に構えます。
鎌田美礼女流2級、振り飛車相手の時はこの形が多いでしょうか。
早い段階で島井女流二段が7筋に飛車を回し、玉頭に近い場所から攻めていきます。
鎌田美礼女流2級は誤算があったのか、早い段階から評価値で大きな差がついてしまう状況に。
評価値推移を見るとわかりますが、劣勢の時間/耐える時間が長く、苦しい展開でした。
局面を1手1手見ていても、島井女流二段が上手いな、と感じる展開で経験の差が出ていたように思えます。
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しかし、そこから耐えに耐えて逆襲の機会を待ちました。
少しずつ駒をぶつけ合う場所を増やしていき、紛れを狙います。
気付くと追いつき、追い越される熱戦に持ち込むことに成功!
最後は抜群の終盤力で混戦を抜け出します。
詰将棋にも出てきそうなキレイな手順の13手詰めを決めてくれました。
角の利きを活かした手筋の桂打ちから、流れるような手順で一気に詰ましていきました。
鎌田美礼女流2級は、この終盤力が最大の強みですね。
序盤で苦しむ場面も見られますが、そこで諦めずに食らいつき、粘って最後に逆転する将棋が魅力です。
序盤の精度が高まっていけば、今後かなり伸びるのではないでしょうか。
棋譜を見ていて楽しい、貴重な存在です。
今後の活躍が楽しみです。