今回は将棋の守り方で「最強の囲い」(最強の防御力)とも言われる穴熊囲いについて解説します。
2023年の叡王戦第2局で藤井聡太叡王と菅井達也八段の対局で、相穴熊の形になった事で注目を集めました。
【穴熊の特徴】
こちらの図のように、居飛車・振り飛車どちらでも使われるのが穴熊です。
メリットとしては「高い防御力」。
デメリットとしては「組むのに手数がかかる」「玉の逃げ場がない」。
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囲いを完成させるのに時間が掛かることもあり、穴熊に組んでいる最中に急戦を仕掛けられると
「完成する前に崩されてしまう」という場合もあるので注意が必要です。
完成させてしまえば後は攻めるだけですが、守りを固めることに集中し過ぎてしまうと
主導権を握られてしまうので、攻める形を整えつつ、相手をけん制しながら穴熊の形に組み上げていく事が大切です。
実際の対局の際には図の先手のようにガッチリ囲わずに、後手のように少し手前で止めてしまう形も多いでしょう。
現代の将棋は「ガッチリ囲ってから攻める」というよりは「バランス型」を重視する傾向があり、
あまり見られない守り方・囲い方となっていました。
AI(評価値の概念)普及の関係で、居飛車党が増えたことも影響しているでしょう。
ただ、叡王戦で見られたように対抗形(居飛車対振り飛車)で相手が穴熊に組んだ場合、
「相手だけ堅い守りで自分は手薄な囲い」の状態だと不利になってしまう可能性もあり、
急戦を仕掛けられるような状況になっていなければ、相穴熊になる場合があるでしょう。